不正出血やおりものの異常は、病気のサインかもしれません。日頃から不正出血やおりものについて正しい知識をもっておき、不正出血やおりものの異常がみられたときは、すぐに婦人科を受診しましょう。
不正出血は、周期的な月経時以外に性器から出血すること。大量の鮮血が出るような出血はもちろんのこと、おりものに少量の血が混ざっているような出血も、不正出血です。
不正出血には、膣や子宮、卵巣などに何らかの病気があって起こる「器質性出血」や、病的な原因がなく、ホルモンバランスの乱れによって起こる「機能性出血」などがあります。このほか、排卵前後の数日間に少量の出血がみられたり(中間期出血)、受精卵の着床にともなって少量の出血がみられたり(着床出血)、性交のあと膣の一部が傷つき、少量の出血がみられるなどの、心配のない不正出血もあります。ただし、自己判断は禁物。不正出血はすべて「異常」と考え、出血の量や回数、ほかの症状の有無にかかわらず、一度でも不正出血があればすぐに婦人科で診てもらいましょう。基礎体温表をつけている場合は、持参しましょう。
流産や切迫流産の危険性があるため、病院ではまず妊娠の有無を確認する。子宮外妊娠などの可能性も。
子宮膣部に腫瘍性の病気がある可能性が。子宮膣びらんや子宮頸管ポリープ、子宮頸がんなどが疑われる。
いつもどおりきた月経でも、10日以上つづけば不正出血。一時的なホルモンバランスの乱れでも治療は必要。
おりものは、女性の性器のいろいろな部分から出る分泌物の集まり。体にとって欠かせない存在で、膣の粘膜を潤し、膣内を酸性にして、外から雑菌が入り込むのを防いでいます。また、受精を促すはたらきもあります。
健康なおりものは、一般的に乳白色で、少しすっぱいにおいがします。ただし、おりものの状態や量は人によって違い、月経周期や年齢によっても変化します。こうしたことを考慮しても、おりものの量が異常に多いと感じたり、悪臭が気になる場合は、性感染症や子宮の病気のサインかもしれません。一度、婦人科を受診することをおすすめします。
おりものによる不快感を防ぐためには、日頃から清潔を心がけることが大切です。下着は通気性のよいものにし、おりものが多いときはこまめに取り替えましょう。自分に合ったおりもの専用シートを使い、こまめに取り替えるのもよいでしょう。清潔を保とうとして膣を洗いすぎたり、膣を石けんで洗うのはよくないため、ご注意を。
さらりとした状態で、量は少なめ。 | |
ドロっとした状態で、量はピークに。 | |
白いノリのような状態で、量は減る。 | |
量がやや増えて、においが強くなる。 |
女性ホルモンの分泌が不安定なため、おりものの量は増えたり、減ったり。 | |
女性ホルモンの分泌がピークを迎え、おりものの量が増える。 | |
量は多いが、新陳代謝が衰えてくるため、においが強くなる傾向に。 | |
女性ホルモンの減少にともない、徐々におりものの量が減っていく。 |
おりものの状態 |
その他の症状 |
疑われる状態 |
---|---|---|
白くて、酒粕のようにボロボロしている | 外陰部のかゆみ | カンジダ膣炎 |
黄色か緑っぽい色で、泡状。悪臭がすることも | 外陰部のかゆみ | 膣トリコモナス症 |
白もしくは黄色っぽい色で、ウミ状であることも | 腰痛や下腹部痛、発熱 | 性器クラミジア感染症、淋菌感染症、骨盤腹膜炎など |
赤褐色や茶褐色。赤いことも | 性交や運動のあとに血液が混ざる。不正出血 | 子宮頸管ポリープ、子宮頸がん |
茶褐色、赤色、液状で量が多い | 不正出血、下腹部痛 | 子宮内膜炎、子宮体がん |